☆ 塵の手技 ☆
2009年07月17日
瀉法の手技その10。
☆ 塵の手技 ☆
瀉法の手技は、邪気を除くもの。
瀉法の目的は邪実である。
実するものは之を瀉す。
邪実は内外の邪による分類から、大きく二つに分類されます。
①外因による邪としての、外邪実。
②内因による邪、生体の内部的アンバランス、歪みよる邪である、旺気実。
さらに、②の旺気実は生体の「生気の不足」による「虚性の邪」があり、
この「虚性の邪」は4つの脉状に分類され、それぞれを治す手技があります。
「虚性の邪」の分類は塵(ジン)・枯(こ)・堅(ケン)・弾(ダン)の4つです。
本治法における瀉法の基本。
陰経(臓の経:肝・心・脾・肺・腎・心包)脉に対して、陰経の生気を補うと、
陽経の脉状に邪実の脉状が浮き上げられます。
陽経(腑の経:胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)に現れる邪実の処理の方法です。
この邪実の脉状「虚性の邪」を瀉法します。
虚性の邪の基本の邪実の処理を「補中の瀉法」と呼称します。
☆ 塵の手技 ☆
陽経の脉状名
塵(ジン)の脉状
塵の脉状の特徴
枯、堅二者よりも更に生気が不足した虚体患者の脈。
脈は綿ぼこりでも積もった様な感じで、
左右の陽分を比較すると邪の部が、
フヮフヮしてやや大きく感じる脈状である。
対象者
慢性病を持つ、虚体患者。
愁訴の7~8割りは消退していて日常生活はおくっているが
身体がだるくさっぱりしないと訴える。
用 鍼
ステンレスの1番鍼。
本治法の対象穴
陽経の反応点、多くは絡穴が用いられる。
触覚所見によっては、郄穴、原穴等を代用する。
本治法の実技の手順
塵の手技
(1)
経絡の流れに逆って取穴し、押出を構える。
(2)
刺手は竜頭を軽く持ち、
接触ないし1ミリ程度刺入し、
補って、スーッと抜鍼する。
(3)
そのさい押手は、
わずかに穴所に密着させる程度でよい。
本治法の効果
治療宜しければフヮフヮ脈状が、
締まって艶のある和緩を得た脈状になり、
微熱が取れて身体が軽くなる。
ゆっくり堂鍼灸院。
けいらく鍼灸師、やまちゃん。
平成21年7月17日(金曜日)
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