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Posted by みやchan運営事務局 at

⑦傷風・風論緒論

2012年03月19日

⑦  ○ 傷風 (しょうふう)   

   ○ 風論緒論    

    

一、風論 :山口一誠の分類・考察。

南北経驗醫方大成・病証論を分類・考察する。


南北経驗醫方大成 による 病証論

井上恵理 先生 講義録

の文献を、わかりやすく、まとめて、みたいと思います。



○ 傷風 (しょうふう) 
 
  P14上段4行目からP14下段10行目より。

○ 風論緒論
 
  P18上段1行目からP20上段中ほど、より。

【「傷風」とは、経脉を「風」の邪がやぶ傷(やぶ)ったもの。】
(山口一誠の分類考察 ①より)

 風(邪)が経脈に入った時の「病証」についてみていこうと思います。

 なお、「風論緒論」でも、「傷風」を講義されていますので、
ここでは一緒に私の分類考察を展開してみます。

 井上恵理先生は、このコーナーでは、
陽明の病証、太陽の病証・衛気、営血、について講義されています。
また、
 井上恵理先生は「南北経驗醫方大成による病証論」を講義されるにあたり、
次のような参考文献を紐解いて講義されています。
黄帝内経素問の第四十二「風論」、第十九「玉機真蔵論」・「諸病原侯論」:病症論の原典・「景岳全書」:「類経」を著した張介賓の著作・「医学正伝」・「万病回春」・「啓廸集」:曲直瀬道三の著作・「医心方」:丹波康頼の著作・「病因指南」:岡本一抱の著作・「素問」台湾本「脈要精微論」:王泳注(著)など・・・


 経絡鍼灸家は、現代人の病状を改善し、未病を防ぐ責任があります。
井上恵理先生の言葉として「―東洋医学はどこまでも治療という立場から物を考える。―この病気はこうしたら治るという事で、〔古典の文献を分類解釈する。〕

::::

○ 陽明の病証  

( 黄帝内経:素問の第2巻、第四十二「風論」第三節、原文 )

風氣與陽明入胃。   
循脈而上至目内眥。  
其人肥則風氣不得外泄、 
則爲熱中而目黄。   
其人痩則外泄而寒、   
則爲寒中而泣出。 

 ※ 下記の〔 〕内は山口一誠の解説?
 
〔風邪が陽明胃経と胃に入り。〕
〔経脉に随って鼻茎を上がり、鼻の山根にて左右交わり再び別れ、目の内まなじり、に至る。〕
〔その人が肥満体なら、風気は外に泄ることが出来ない。〕
〔そして、胃の中に熱が籠り胃経の始まりの目が黄ばむ。〕
〔その人が痩せたタイプなら、風気は外に泄れて、寒気が出る。〕
〔そして、胃の中が冷たくなって胃経の始まりの目から涙が出る。〕


 井上恵理先生の講義から、傷風「陽明の病証」を診たてるポイント。   

① 肌の色が黄色という色をなす事で「風邪の邪」が経脉に入ったと診る事。
  この症状は肥満タイプに多くみられ、痩せた人には少ない。―

② 太った人の場合は、「風邪の気」が経脉に入って、外に泄れる事が出来ない(太っていて皮膚〔腠理〕蜜である)ので、即ち熱中して目が黄色くなる。
〔また、〕風邪の邪が泄れないで経脉の中に熱をなすという事を考えてみますと、黄疸という症状があります。黄疸の時は熱が出て食欲不振になり、身体が黄色くなって目が黄色くなる。あるいは目だけが黄色くなる場合もあります。

③ 痩せた人のの場合は、気が泄れて寒をなす。即ち寒中して涙が出る。
  これは、「風邪の気」が経脉に入っても痩せた人の皮膚〔腠理〕は荒い為に気が泄れてしまう ので、寒中して涙が出る、訳です。


 足の陽明胃経 の 流注・・はこちらを参照されたし。
http://you-sinkyu.ddo.jp/c206.html

::::
 
【「傷風」とは、経脉を「風」の邪がやぶ傷(やぶ)ったもの。】
(山口一誠の分類考察 ①より)

○ 太陽の病証・衛気。

(黄帝内経:素問の第2巻、第四十二「風論」第四節、原文 )

風氣與太陽倶入、   
行諸脈兪       
散於分肉之間     
與衛気相干      
其道不利       
故使肌肉肌憤䐜而有傷 
衛氣有所凝而不行   
故其肉有不二也    

※ 下記の〔 〕内は山口一誠の解説?

〔風邪が太陽膀胱経には入り、〕
〔膀胱経の背兪穴に行き、〕
〔体表の筋肉の所に散じて、〕
〔風邪と衛気が抗争する。〕
〔その為に背部の経絡に不備がおこる。〕
〔だから、肌肉憤䐜(ふんしん)皮膚や筋が傷つき吹き出物が出来る。〕
〔皮膚を防衛する衛気が凝りの有る所に行けない。〕
〔ゆえに、其の肉、不二(感覚がなく)なる。〕


〔私たち経絡鍼灸家は浅い刺鍼で治療をします。その理由を井上恵理先生の講義から、読み取れます。
ここでは、
後背部のコリやシビレ、吹き出物、について、その発生の解説が成されています。〕


 井上恵理先生の講義から、傷風「太陽の病証・衛気。」を診たてるポイント。 

○ 風が衛気と営血に入った時、気と血を傷る時の状態が、また風論にある。
風が太陽(膀胱経)と倶に入れば諸脉即ち兪に出ず、つまり経脈の中の兪穴に出てくる。そして膨らんで分肉の間に散じて(分肉の間は衛気の守る所)その気通ぜず。その道通ぜず肌肉憤䐜(ふんしん)する。肌肉とは筋肉です。これが憤り、䐜(はれ)るというのですから、筋肉が堅くなるという意味です。そして傷をなす。これは吹き出物が出てくる事です。衛気凝ることあって行かず、故に不二する事あり。つまり身体を守る気が侵されてしまうからその為に「凝る所」ができて経脈が流れなくなって、不二(感覚がなくなる)を為すんだという訳です。

::::

【「傷風」とは、経脉を「風」の邪がやぶ傷(やぶ)ったもの。】
(山口一誠の分類考察 ①より)

○ 営血
○ 風が営気を侵した場合

(黄帝内経:素問の第2巻、第四十二「風論」第五節、原文 )

癘者有榮氣熱腑   
其氣不清      
故使其鼻柱壊而色敗 
皮膚潰瘍      
風氣客於脉而不去  
名曰癘風或名曰寒熱 

※ 下記の〔 〕内は山口一誠の解説?

〔癘者(レイジャ):感染症に罹患した人は榮氣が熱を持ち腐敗する。〕
〔その気は清らかでない。〕
〔ゆえに、鼻の穴がただれ、皮膚の艶がなくなる。〕
〔鼻の粘膜が潰瘍する。〕
〔風邪が経脈に宿って去らない。〕
〔これの病名を癘風(レイフウ)あるいは、寒熱と言う。〕


〔私たち経絡鍼灸家は浅い刺鍼で治療をします。その理由を井上恵理先生の講義から、読み取れます。
ここでは、
鼻炎や蓄膿症について、その発生の解説が成されています。〕

 井上恵理先生の講義から、傷風「営血・風が営気を侵した場合」を診たてるポイント。 

○ 営血

営血が傷(やぶ)られると鬱熱して鼻柱がやぶれて、皮膚がかゆくなって破れるといった症状を起こします。で、「脈要精微論」に脈風に癘(れい)を為すと記されています。これらの物も、衛気(えき)と営血(えいけつ)におけるつまり「気」を傷られた時と、「血」を傷られた時の病態が書かれている訳です。

○ 風が営気を侵した場合は、熱欝(ねつうつ)ありて鼻柱ただれ、色破れ皮膚が潰瘍すると書かれています。熱欝とは、熱が外に出ないで身体の内側に入ってしまう事で、外から触れたのでは熱を感じないが脉は数になっている状態です。

 【 診断のポイント:風邪が営気を侵した時、脉は数なら、熱欝(ねつうつ)あるかも・・】 

それから、鼻柱ただれというのは、鼻の穴がただれるいう事で、だから鼻水が出てくる訳です。で、鼻水が出る風邪は臨床的には熱欝している事が多いので外には熱が出て来ませんね。鼻カタルでもって発熱したってのは無いんです。
鼻カタルを起している時には発熱していないです。それでは熱が無いかというと実は内側に熱がある訳で、脉が数脉になる訳です。色破れ、というのは皮膚の艶がなくなる事で、潰瘍するというのは瘍(はれ物)が出来て潰(つぶれ)るというのだから、何か吹き出物が出来る事だと思います。


なお、黄帝内経:素問の山口一誠の解説は、
黄帝内経「素問」訳注・著者:家本誠一・発行:医道の日本社
を参考にしています。


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ご意見・間違いの指摘・などを、

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ゆっくり堂 鍼灸院 
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isseiちゃんヨリ・・・

2012.3.19-・月曜日・・ 

Posted by やまちゃん at 13:20 | Comments(0) | 南北経驗醫方大成・病証論