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Posted by みやchan運営事務局 at

五十難のポイント「賊邪」は非常に悪性です。

2014年03月25日

  難経 第五十難

ゆっくり堂の『難経ポイント』  第五十難   ank050

  
※ 五十難のポイント其の一は、

五臓に病が入った時の病症の名前として、

虚邪、実邪、賊邪、微邪、正邪があります。


※ 五十難のポイント其の二は、

相剋経の「賊邪」はこの中で一番悪い。非常に悪性です。


※ 五十難のポイント其の三は、

五十難の図表を作りました。ご覧ください。

難経五十難、脾病と五邪の関係図表(nk503)

のサンプルを表示します。




  難経五十難、虚邪・実邪・賊邪・微邪・正邪の図表(nk501)
  難経五十難、心病と五邪の関係図表(nk502)
  難経五十難、脾病と五邪の関係図表(nk503)
  難経五十難、肺病と五邪の関係図表(nk504)

詳しくはこちらのHPをごらんください。

http://you-sinkyu.ddo.jp/ank050.html


難経 第難 原文

(『難経』原本は底本:『難経』江戸・多紀元胤著、『黄帝八十一難経疏証』(国立国会図書館所蔵139函65号)オリエント出版、難経古注集成5(1982年)に影印)を参考しています。

五十難曰.

病有虚邪.有實邪.有賊邪.有微邪.有正邪.
何以別之.

然.
從後來者.爲虚邪.
從前來者.爲實邪.
從所不勝來者.爲賊邪.
從所勝來者.爲微邪.
自病者.爲正邪.

何以言之.
假令心病.
中風得之.爲虚邪.
傷暑得之.爲正邪.
飮食勞倦得之.爲實邪.
傷寒得之.爲微邪.
中濕得之.爲賊邪.


五十難の訓読

(井上恵理先生の解説:経絡鍼療(458号)と本間祥白先生の解説、福島弘道先生の解説を参考にして、
 山口一誠の考察文にて構成しました。)

五十難に曰く。

病に虚邪あり、実邪あり、賊邪あり、微邪あり、正邪あり、
何を以って之(これ)を別(わか)たん。

然(しか)るなり。
後ろより来(きた)るものを虚邪となし、
前より来るものを実邪となし、
勝たざる所より来るものを賊邪となし、
勝つ所より来るものを微邪となし、
自ら病むものを正邪となす。

何を以って之を言えば、
仮令(たと)えば心病、
中風より之を得(う)るを虚邪となし、
傷暑より之を得るを正邪となし、
飮食勞倦より之を得るを実邪となし、
傷寒より之を得るを微邪となし、
中湿より之を得るを賊邪となる。

 詳しくは各先生の文献を参照されたし。


   五十難の解説

(井上恵理先生の解釈:経絡鍼療(458号)と本間祥白先生の解釈、福島弘道先生の解釈を参考にして、
 山口一誠の考察文にて構成しました。)

四十八難の解説をします。

五臓に病が入った時の病症の名前として、虚邪、実邪、賊邪、微邪、正邪があります。
これらの病気の内容を整理区別して理解しやすい様に説明しなさい。

お答えします。
「後ろより来るもの」とは、相生関係で「母から入った病症名」を虚邪と言います。
「前より来るもの」とは、相生関係で「子から入った病症名」を実邪と言います。
「勝たざる所より来るも」とは、相剋関係で「剋経から入った病症名」を賊邪と言います。
「勝つ所より来るもの」とは、相剋関係で「畏経から入った病症名」を微邪と言います。
「自ら病むもの」とは、自分自身の経が内部から病気を起こす病症名を正邪と言います。

〔参考図表〕「難経五十難、虚邪・実邪・賊邪・微邪・正邪の図表(nk501)」を参照されたし。

五邪と五十難の「虚・実・賊・微・正」邪の関係について述べます。
例えとして、心病(心を患(わずら)っている。)を取り上げて説明をします。
中風(肝邪)が心に入ったのだから、これを虚邪が入ったと言うのだと。「母:後ろより来るもの」
傷暑(心邪)が心に入ったのだから、これを正邪と言うのだと。「自経:自ら病むもの」
飮食勞倦(脾邪)が心に入ったのだから、これを実邪と言うのだと。「子:前より来るもの」
傷寒(肺邪)が心に入ったのだから、これを微邪と言うのだと。「畏経:勝つ所より来るもの」
中湿(腎邪)が心に入ったのだから、これを賊邪と言うのだと。「剋経:勝たざる所より来るも」

〔参考図表〕「難経五十難、心病と五邪の関係図表(nk502)」を参照されたし。


詳しくは各先生の文献を参照されたし。


  五十難の詳細解説

(井上恵理先生の訓読・解釈:経絡鍼療(458号)と本間祥白先生の訓読・解釈、福島弘道先生の訓読・解釈を参考にして、
 山口一誠の考察文にて構成しました。)詳しくは各先生の文献を参照されたし。

山口一誠の考察により原文・訓読・解説(解説補足)の順に文章を構成します。

〔原文〕
五十難曰.
病有虚邪.有實邪.有賊邪.有微邪.有正邪.何以別之.

〔訓読〕
五十難に曰く。
病に虚邪あり、実邪あり、賊邪あり、微邪あり、正邪あり、何を以って之(これ)を別(わか)たん。

〔解説〕
五十難の解説をします。
五臓に病が入った時の病症の名前として、虚邪、実邪、賊邪、微邪、正邪があります。
これらの病気の内容を整理区別して理解しやすい様に説明しなさい。

〔解説補足1〕ここでの邪は五臓に病が入った時の病症の名前と考えます。

〔解説補足2〕「虚・実・賊・微・正」邪の凶悪度について。
      一番悪いのが「賊邪」です。相剋関係において自分が抑えられている所からなお一層、そこの邪によって抑えられる。相克関係は健康な自然の気そのものが抑えられている状態にも関わらず。なお邪に抑えられる。「賊邪」はこの中で一番悪い非常に悪性です。
五十三難のポイントでは、病にの伝わり方で「七伝の相剋関係」に伝わるは悪い(死ぬ)。
五四難のポイントでは、病の証が相剋に伝わるものは治り難(がた)い。などの論述があります。
病気が経を変える「病の伝変」には伝変の仕方によって非常に危険な伝変と治り良い伝変があります
「賊邪」は「七伝の相剋関係」に通じます。
「微邪」は、相剋関係において自分が抑える:勝つ所から来る邪です。だから抑える力と邪の力が相殺されて「微かに」来る邪と言う事です。

〔第五十難での言葉の意味〕
相剋とは、五行論では二者が一方の相手に勝つ関係あるいは、抑える関係にあること。
例えば木と土の関係では、木剋土と現わし、木が土を抑える(勝つ)関係になります。
※五行論は三理論より「相生関係・相剋関係・相剋調和」HPを参照されたし。
http://you-sinkyu.ddo.jp/c203.html

〔原文〕
然.
從後來者.爲虚邪.從前來者.爲實邪.從所不勝來者.爲賊邪.從所勝來者.爲微邪.
自病者.爲正邪.

〔訓読〕
然(しか)るなり。
後ろより来(きた)るものを虚邪となし、前より来るものを実邪となし、勝たざる所より来るものを賊邪となし、勝つ所より来るものを微邪となし、自ら病むものを正邪となす。

〔解説〕
お答えします。
「後ろより来るもの」とは、相生関係で「母から入った病症名」を虚邪と言います。
「前より来るもの」とは、相生関係で「子から入った病症名」を実邪と言います。
「勝たざる所より来るも」とは、相剋関係で「剋経から入った病症名」を賊邪と言います。
「勝つ所より来るもの」とは、相剋関係で「畏経から入った病症名」を微邪と言います。
「自ら病むもの」とは、自分自身の経が内部から病気を起こす病症名を正邪と言います。

〔解説補足〕この条項は五行の相生(そうしょう)の母子関係と相剋(そうこく)から考察しますね。
〔参考図表〕「難経五十難、虚邪・実邪・賊邪・微邪・正邪の図表(nk501)」を参照されたし。


〔原文〕
何以言之.
假令心病.
中風得之.爲虚邪.
傷暑得之.爲正邪.
飮食勞倦得之.爲實邪.
傷寒得之.爲微邪.
中濕得之.爲賊邪.

〔訓読〕

何を以って之を言えば、
仮令(たと)えば心病、
中風より之を得(う)るを虚邪となし、
傷暑より之を得るを正邪となし、
飮食勞倦より之を得るを実邪となし、
傷寒より之を得るを微邪となし、
中湿より之を得るを賊邪となる。

〔解説〕

五邪と五十難の「虚・実・賊・微・正」邪の関係について述べます。
例えとして、心病(心を患(わずら)っている。)を取り上げて説明をします。
中風(肝邪)が心に入ったのだから、これを虚邪が入ったと言うのだと。「母:後ろより来るもの」
傷暑(心邪)が心に入ったのだから、これを正邪と言うのだと。「自経:自ら病むもの」
飮食勞倦(脾邪)が心に入ったのだから、これを実邪と言うのだと。「子:前より来るもの」
傷寒(肺邪)が心に入ったのだから、これを微邪と言うのだと。「畏経:勝つ所より来るもの」
中湿(腎邪)が心に入ったのだから、これを賊邪と言うのだと。「剋経:勝たざる所より来るも」

〔参考図表〕「難経五十難、心病と五邪の関係図表(nk502)」を参照されたし。

〔解説補足〕四十九難のポイント其の二より、 五邪とは。
1、中風(肝邪)2、傷暑(心邪)3、飮食勞倦(脾邪)4、傷寒(肺邪)5、中湿(腎邪)です。
〔解説参考HP〕 http://you-sinkyu.ddo.jp/an049.html をご参照されたし。

〔解説補足〕井上恵理先生の解釈:経絡鍼療(458号)より。
       難経五十難はk肝心脾肺腎の五臓の病に全てあります。

〔解説補足〕四十九難のポイント其の二より、 五邪とは。
1、中風(肝邪)2、傷暑(心邪)3、飮食勞倦(脾邪)4、傷寒(肺邪)5、中湿(腎邪)です。

〔解説参考例〕井上恵理先生の解釈:経絡鍼療(458号)より。
       難経五十難は肝心脾肺腎の五臓の病に全てあります。

「脾の病」に例をとれば、

〔参考図表〕「難経五十難、脾病と五邪の関係図表(nk503)」を参照されたし。

〔解説参考例補足、1-1〕飮食勞倦(脾邪)が脾自身に入ればこれを正邪と言います。
          「自経:自ら病む正邪です。」正邪は自経の病で治りやすい訳です。

〔解説参考例補足、1-2〕傷暑(心邪)が脾に入ればこれを虚邪と言います。
          「母:後ろより来る虚邪です。」
          傷暑(心邪)、「虚邪」の病状は暑さにあてられて嘔吐し頭痛し発熱します。
      その脈波非常に緩慢(かんまん:ゆるやかで締まりがない)で遅い脉になっています。
      つまり、日射病(熱中症)ですね。この場合は「虚邪」です。
邪が入ったのにも関わらず脈が虚して来る。この時の治療法は邪でありながら補法でこれを取る。

〔解説参考例補足、1-3〕傷寒(肺邪)が脾に入ると実邪です。「子:前より来る実邪です。」
          この時の治療法は瀉法でこれを取る。

〔解説参考例補足、1-4〕中風(肝邪)が脾に入ると賊邪です。「剋経:勝たざる所より来る賊邪です。」
         中風(肝邪)が脾に入った「賊邪の病状」は半身不随が甚だしくなります。

〔解説参考例補足、1-5〕中湿(腎邪)が脾に入る微邪です。「畏経:勝つ所より来る微邪です。」
             脾土には入りにくい邪ですね。


「肺の病」に例をとれば、
肺金の症状があるときに、
飮食勞倦(脾邪)が肺に入ればこれをこれを虚邪と言います。 「母:後ろより来る虚邪です。
中湿(腎邪)が肺に入れば実邪です。「子:前より来る実邪です。」
傷暑(心邪)が肺に入れば賊邪です。「剋経:勝たざる所より来る賊邪です。」

中風(肝邪)が肺に入れば微邪です。「畏経:勝つ所より来る微邪です。」
傷寒(肺邪)が肺に入れば自身に入ればこれを正邪と言います。「自経:自ら病む正邪です。」

〔参考図表〕「難経五十難、肺病と五邪の関係図表(nk504)」を参照されたし。

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井上恵理先生の教え。

難経五十難の五邪の伝変から考察すると、風邪を引いた病症でも、補法と瀉法で治療する時がある。
ただ「邪が入ったから瀉せばいいんだ。」と考えるべきじゃない。― 
病因と言うものは内因があって初めて外邪が入る様に出来ている。何か内に不調和がない限り風邪は引くものじゃないですね。素因あるいは内因が必ずあるはずです。
そこで私たち(経絡鍼灸家)は「内因がなければ外邪は入らない。」と言う定義(経絡鍼灸の法則)を立てた訳です。
だから現在の病状、熱がある・頭が痛いと言う時に治療をすると、熱や頭痛は解消するが、なお身体にはまだ治療するべき根本的な内因が残らなくちゃならない。
だから内因の事を考えると完全治癒と言う事はない訳です。
そう言う風に考えて初めて広義な、広い意味での病気と言うものを観察しなくちゃいけないですね。


2014.3.25.



今日も何とか難経五十難をアップしました。




 

Posted by やまちゃん at 19:02 | Comments(0) | 難経 ブログ勉強会