暑論の原文・訳・解説。

2012年05月22日

暑論の原文・訳・解説。

東洋はり医学会:発行・

「南北経驗醫方大成による病証論 井上恵理 先生 講義録」より。



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三 、暑 論 c313     P43上段1行目 ~ より。

 「南北経驗醫方大成 三 、暑 論 」の原文
 
暑之為氣、在天為熱、在地為火、在人臓為心、是以暑之中人、先著於心、
凡中之者、身熱頭痛、煩渇口燥、甚則昏不知人、手足微冷、或吐、或瀉、或喘、或満。

入肝則眩暈頑痺。入脾則昏睡不覚。入肺則喘満痿躄。入腎則消渇。

其脉、多沈伏。一時昏中者、切不可便與冷水、並寝湿地。

古法。當以熱湯、先注及用布衣、浸熱湯熨、臍下及気海次々以湯淋布上、令暖氣透徹臍腹。
俟其蘇生進以、黄連香?散、五冷散、若體虚者、冷香飲子。
霍乱吐瀉来復丹、二気丹。夾食則、用胃苓湯 。

若挟風則、其脉沈而浮。證有?搦、當於黄連香?散内、加羌活、煎服。
却不可作驚癇、治之。多到不救 。

此方及巖氏累用之、而有験者。

若旅途中、卒然暈倒、急扶在陰涼所、掬道上熱土、於臍上撥開作竅、
人尿於其中以待求熱湯、並生薑或大蒜、各一塊嚼爛以湯送下、立醒。


ーーーーーーーーーーーー
井上恵理 先生の訳:

暑の気たる事、
天に在りては、熱たり、
地に在りては火たり、
人の臓に在りては心たり、
これを以って暑の人に中(あた)る事、
まず心につく、
およそ、これに中る者は、身熱し頭痛し、煩渇して、口渇く、
甚だしき時は昏(こん)して人を知らず、手足微冷(びれい)し、
或いは吐し、或いは瀉し、或いは喘し、或いは満す。

肝に入るときは、眩暈、頑痺(ぐわんひ)す。 
脾に入るときは、昏睡して覚めず。 
肺に入るときは、喘満痿躄(いへき)す。 
腎に入るときは、消渇す。

暑さの脉は、
沈にして伏、
沈というのは浮かべたなく沈めてある事です。
伏と言うのは沈めても無く沈以下になり脉がほとんど無くなった所にある脉です。

一時に昏中する者とは、
急に暑邪で倒れた者でし切りに喉が渇くが、
すぐに冷水を与えてはいけないし、
湿った所に寝かしてはいけない。

古い〔治療〕法に、
熱湯をもって拭いてやる、
布切れを熱湯に浸して臍下、気海、丹田あたりを温めてや
る事です。その布上に湯を注いで腹に湿気が透るようにする事です。

其の蘇生するをもって進むるに、黄連香?散、五冷散、を用いよ。
若し體虚の者は、冷香飲子。霍乱吐瀉せば来復丹、二気丹、食を夾む時は、胃苓湯を用ゆ。
若し風を挟むる時は、其の脉、沈にして浮。
症に畜搦あり、当に黄連香?散の内に羌活を加えて煎じ服すべし。
却って驚癇となして、これを治すべからず。
多くは救わざる事を得ず。

此の方、及巖氏が、累(しき)りに之を用いて験ある者に在り。

若し旅の途中に、卒然として暈倒せは、
急にう扶(たす)けて陰涼の所に在らしめ、
道上の熱土を掬(すくっ)て臍上に置いて撥開(はっかい)して竅をなし、
其の中に人をして尿せしめ以て熱湯、
並びに生薑(しょうが)、或いは大蒜(ニンニク)各々一塊を
嚼爛(しゃらん)し湯を以って送り下せば。。。

立ち所に醒む。

     P43上段1行目 ~ より。

井上恵理 先生の解説と言葉の意味:

 暑と言うのは暑さの事です、―
これは暑の気というものです。
天にあっては、熱という。
天の気を暑気、暑の気は熱になる。
地に在りては火という、暖房をとる火です。

天に在る熱は太陽です。
陽に在っては熱であり、
陰に在っては人工的、火です。
火は熱を出し、熱は火生じる。
こうゆう風に天地、陰陽の交流がなる訳です。

心は熱を出す事により機能するのです。
〔生きている人間に〕体温があるという事は、
心に熱が有るからで。

熱を受けると、
まず心に入る訳で、これに中ると身体が熱して頭痛する。
煩渇して、これは頻(しき)りに喉が渇く事。― 
喉が渇く時には、水をのみたがりる。― 
口渇く:口が渇く時には、水をのみたがらず、
口が粘くて乾いて声が枯れるので、水ですすぎたくなる。

暑が深く入って身体を傷る時には、人事不省(ふせい)になる。
そして手足が冷え、物を吐いたり、下痢、胸息れ、喘というのは喘息と、胸息れの時もいう。
喘息は息がぜれつく。或いは満す。これは張る事です。胸が張るようになる、
お腹が張る、事。心満といえば、胸が張る事です。

 肝に入るれば、眩暈、頑痺する。
眩暈は、めまい。頑痺は、頑固な治りにくい麻痺。
頑痺の「痺」は、固くなる、使えなくなる。機能が減退する意味です。
例えば感覚的麻痺も痺であり、筋肉が固くなるのも痺です。

脾に入ると、昏とんとして眠り続ける。昏睡状態になる。

肺に入る時は、喘満し、胸が満ちたける様になり、ゼイゼイと呼吸がぜれつく。
痿躄(いへき)とは、身体の手足が効かなくなる事です。

腎に入るときは、消渇す。渇きの病で喉が渇く事です。

暑さの脉は、
沈にして伏、沈というのは浮かべてなく沈めてある事です。
伏と言うのは、沈めても無く沈以下になり脉がほとんど無くなった所にある脉です。

一時に昏中する者とは、
急に暑邪で倒れた者でし切りに喉が渇くが、
すぐに冷水を与えてはいけないし、
湿った所に寝かしてはいけない。

古い〔治療〕法に、
熱湯をもって拭いてやる、
布切れを熱湯に浸して臍下、気海、丹田あたりを温めてやる事です。
その布上に湯を注いで腹に湿気が透るようにする事です。
目が覚めたら、
黄連香?散、五冷散、の漢方薬を飲ませる。霍乱で吐けば来復丹、二気丹、食事が食べられる時は、胃苓湯。
もし風が暑に入いると、
その脉は、沈になったり浮になったりする。
チク搦の意味、
これは引きつけ、手が震え目がひっくり返る。
この時は、黄連香?散の内に羌活を加えて煎じて飲ませる。

〔注意〕チク搦を起こしているのに、
子供では驚風、大人では驚癇(てんかん)と間違えて治療すると救うことが出来ない。

この治療は巖氏という人が用いて知られている。

旅に出て薬もない時、
にわかに暑を受けて倒れた時は涼しい所に連れて行って寝かせる。
道端の土を持ってきて臍の上にのせ中を開け、
その中に小便をする。
その間に湯を沸かし生姜とニンニクを噛み砕いて湯で飲ませると・・・

立ち所に醒める。


※ 詳しくは、

「南北経驗醫方大成による病証論 井上恵理 先生 講義録」
発行元:東洋はり医学会、をお読みください。
http://www.toyohari.net/link.htm

または、

ゆっくり堂鍼灸院:経絡鍼灸 教科書:
「三、暑論」をご覧ください。
http://you-sinkyu.ddo.jp/c313.html


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ゆっくり堂 鍼灸院 
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2012.5.22-  火曜日・・









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