☆ 神農本草経 ① 胃腸病  ☆ 

2009年01月19日

☆ 神農本草経 ① 胃腸病  ☆ 

ゆっくり堂は、
中国最古の生薬文献「神農本草経」の序禄に掲載された病理選薬理論を、
現代の日本の風土に合わせた漢方薬を取り扱います。

神農本草経序禄では病気を16病症にわけて解説をしています。

今回、これらの病症を一例づつ、その漢方薬の治療目的および構成生薬の解説をします。

また、経絡病症解説もしてみます。

☆ 神農本草経 ① 胃腸病  ☆ 

神農本草経 ① 胃腸病 

胃腸病の治療方法。

まず、胃の病気の2つの分類から、

1:陰病の症状  

陰病の胃病は、胃酸不足が原因です。食後に、みぞおちがつかえ不快感がでるとき。
食事の内容は、甘い食物、辛い食物を欲しがります。また、無意識に、ご飯をたくさん食べ過ぎています。
そして、苦い薬は絶対に飲めません。

下痢をすると、お腹が痛くなります。
また、便秘をしても、のぼせがなく、コロコロの便(兎便)になります。
これらの現象は、大腸の働きが弱くなり大便を送り出すぜんどう運動機能が低下しているからです。
下痢をすると、スーット気持ちがよくなります。


2:陽病の症状  

陽病の胃病は、胃酸過多が原因です。
お腹がすいている時、キリキリと痛みます。食後、2時間ぐらいから胃が重苦しくなります。
また、口が苦いときなどです。
そして、苦い薬を飲んでも大丈夫です。

陽病の便秘は、のぼせ症状が強く、苦しいです。
このような時は、血行を良くし充血性のうつ血を取り除き、神経のイライラを鎮め、大便の排泄を促がす漢方薬を使用します。


服用量の加減で、2つの症状に対応できます。


ゆっくり堂での経験例

男性45歳:
ストレスからいつも胃が痛み、長年H2ブロを服用していた。 慢性病を治したいとのこと。
牛黄.黄ゴン.黄連の生薬量を増量した構成の漢方薬を4ヶ月服用され、完治。

女性33歳:「食欲不振」
胃下垂タイプの方で、思う悩むことが多く、怖い夢を良くみる。
食べ過ぎると下痢気味になる。
この方の場合、人参の量を考えた漢方薬を3ヶ月服用して、3キロ体重が増え、体力がついてきた。
よく風邪を引いていたが、元気になって風邪薬は飲まないですんでいる。


そして、使用する生薬は次のような性質を持っています。


甘草.味甘平.生川谷.治五藏六府寒熱邪氣.堅筋骨.長肌肉倍力.金創.?.解毒.久服輕身延年.

人參.一名人銜.一名鬼蓋.味甘微寒.生山谷.補五藏.安精神.定魂魄.止驚悸.除邪氣.明目.開心益智.久服輕身延年.

牛黄.味苦平.生平澤.治驚癇寒熱.熱盛狂痙.除邪逐鬼牛角瞬.下閉血.?血疼痛.女子帶下血.髓.補中填骨髓.久服増年.膽.可丸藥.

黄ゴン.一名腐腹.味苦平.生川谷.治諸熱黄疸.腸?泄利.逐水下血閉.惡瘡疽蝕火瘍.

黄連.一名王連.味苦寒.生川谷.治熱氣.目痛眥傷泣出.明目.腸?腹痛下利.婦人陰中腫痛.久服令人不忘

厚朴.味苦温.生山谷.治中風傷寒頭痛.寒熱驚氣.血痺死肌.去三蟲.

乾薑.味辛温.生川谷.治胸滿?逆上氣.温中止血出汗.逐風濕痺.腸?下利.生者尤良.久服去臭氣.通神明.

白朮・利水也。故能治小便自利不利。旁治身煩疼。痰飲。失精。眩冒。下利。喜唾。


  胃腸病の経絡病症解説は明日します。


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