☆ 滑実の脉 ☆

2009年07月10日

瀉法の手技その5。

☆ 滑実の脉 ☆

☆ 滑実の脉 ☆


陰経(肝心脾肺腎)の実の脉に対する瀉法の手技。

これは、本格的な陽経の邪実を瀉法するための前段の手技である。

 本治法における瀉法の基本。

瀉法を行う前に補法を行う。陰経の生気を補うと、
陽経の脉状に邪実の脉状が浮き上げられます。そして、この邪実を瀉法します。


陰経の脉状名 滑実の脉状。 

脉状の特徴

細くて粗めのネックレスの触覚。よりのかかった麻糸の脉状。
じゅず数珠をさぐるが如し。


対象者

慢性病罹患者で、痰を伴う病状。
体液が内外の邪気に冒され、その粘稠度をまし鼻水やよだれが出る症状。
または、女性ではおりものなどが多くなる。
痰が体外に出ない場合は、痺れや痛みの症状。


身体の特徴

実体の体質者に実証が生じ、痛みを現す脉状である。 
患者の全身は堅く固まっている。また、穴所も堅く固まっている。
よって、刺入する鍼先の抵抗もなかなか緩まない。


用鍼 ステンレスの1番・2番鍼。


実技の手順

(1)
経絡の流れに逆って取穴し、押出を構える。

(2)
刺手は竜頭をある程度しっかり持ち、すみやかに4~5ミリ刺入し、
こね回すようにややひねりをかけて抜き刺しを行う。
抜き刺しは、「鍼を押す、押す手をやめる。また最初と同じ力で押す」このくり返しの手技をおこなう。
抵抗が取れたら、補の目的が達成する。

(3)
押手にて、パーッとゆっくり下圧をかけ、鍼は、おもむろに抜鍼する。


救急法

痛みの程度が激しい時に「本治法」の前に(標治法)を行う。

留置鍼の方法について。

痛む局所に10~15分、ステンレス鍼を留置する。
時間の経過と共に鍼光部が赤みを帯びてくる。
これは、虚した部に気が補われて実になった証拠である。
そして、局所の痛みが軽くなる。

後に、「本治法」を行う。

効果

検脉すると、陽経の脉にしかるべき邪実が現れる。(多くは、弦実の脉状)
そして、陽経の脉状にしたがい、陽経の瀉法をおこなう。





けいらく鍼灸院 ゆっくり堂。

平成21年7月10日(金曜日)


同じカテゴリー(瀉法の手技)の記事画像
☆ 弾(だん)の脉状  ☆ 
☆ 堅(ケン)の脉状  ☆ 
☆ 枯(こ)の脉状  ☆ 
☆ 「虚性の邪」とは ☆ 
☆ 塵の手技 ☆
☆ 陽経に現れた弦実の脉状  ☆ 
同じカテゴリー(瀉法の手技)の記事
 ☆ 弾(だん)の脉状  ☆  (2009-07-21 09:39)
 ☆ 堅(ケン)の脉状  ☆  (2009-07-20 12:26)
 ☆ 枯(こ)の脉状  ☆  (2009-07-19 09:40)
 ☆ 「虚性の邪」とは ☆  (2009-07-18 12:09)
 ☆ 塵の手技 ☆ (2009-07-17 11:33)
 ☆ 陽経に現れた弦実の脉状  ☆  (2009-07-16 11:03)

Posted by やまちゃん at 17:26 | Comments(0) | 瀉法の手技
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
☆ 滑実の脉 ☆
    コメント(0)