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Posted by みやchan運営事務局 at

☆ 咳を根本から治す方法 ☆

2009年12月19日




ノンボクケイケンイホウタイセイ

南北経驗醫方大成 による 病症論 

井上恵理 講義録 付・臨床質問

十二章p95より

  咳嗽(がいそう)

  咳のことです。 

咳を起こす肺の性質について。

古典本文訳。

肺は五臓の華蓋となして、
聲音の従い出ずる所なり、
皮毛これによって潤沢し、
腎水これによって生養す、
そう理:皮膚・(毛穴)蜜ならず、
外、風寒暑湿の気の為に干かさされば皆よく人をして
咳嗽せしむ。


解説説明。

「肺は五臓の華蓋である」「華蓋」
花の傘の様な物、五臓の一番上に覆い被さっている。

「聲音」は音声で五音、五声は肺から出る、
肺は音を司り、咳は音声の一つで肺が中心になる。

声が良い時は、皮膚の艶も潤沢である。
 皮膚が枯渇すると声もかす擦れる。
これは皮毛は、肺が司るからです。
皮膚は全身を覆い一番外にあるから、
皮膚が枯渇すると外邪を受けやすく、
又気を司るが故に、気が乱れやすく、
気を使う事が多くなり、憂いの症を起こす。

思うは現実にある事を心配することで、
憂いは現実には無いことを心配する事である。
病人や不眠症の人に多い。

(睡眠について)

睡眠には二通りあり、
動物性睡眠と
人間的睡眠がある。

動物は目を閉じて動かなければ寝ているが、
耳はいつも起きている。何かあると直ぐに起きる。
所が人間は耳も寝なければ寝た気がしないので身を守る為に家屋が必要なのです。

不眠で困っている人には、
目を閉じて動かなければ動物性睡眠で寝ているこ理解させ、
寝ていないのではなく、眠った感じがしないだけなのです。
時間が解るのは耳がおきているだけで
動物性睡眠は取れているので安心するように。
問題は、眠れない事が大変だと思うことが病気を悪くして行きます。
ちなみに、
犬は4日眠ないと死にます。
所が48日食べなくても死なないそうです。
そして、
人間は3日以上は起きていられないそうです。


「腎水これによって生養す」肺金は水を生じ、
皮膚が枯渇すると腎水も枯渇します。
母子・相生の関係ですね。
「そう理:皮膚・(毛穴)蜜ならず、」
皮膚の表面が密ならないと皮膚(毛穴)が開いて風寒暑湿の外邪に冒されます。

風寒暑湿は自然現象で、
昔の人は風が一週間吹かないとクモの巣に覆われると言います。

風寒暑湿のすべてが適当に必要なのです。

風(外邪)を受けたから病気になるのではなく、
風を受ける身体を持っていたからです。
その反対に外邪を受けた時は、
身体を調和して力を出せば、
汗として外邪を排泄できます。
又、咳が出るのは、
風だけでなく、寒暑湿によっても起きます。


【 咳の病因 】

「内外の症あり」咳は内傷からも外邪からも起こる。

ここは大事な点ですね。 

精神的なことから咳が起きるあるいは、

混合されて咳が止まらない原因にもなるということです。

治療家はここをよく踏まえる必要がありますね。


【外邪による症状分類】

古典本文訳。

風に傷られる則は、
脉浮にして寒を憎み、
身熱、自汗、煩躁して鼻に清涕を引き、
語らんと浴すれば、未だ意ならざるに咳す。

解説説明。

風に吹かれての「咳」は、
脉浮で、寒気がして身体に熱が出て何もしないのに汗が出る、
胸苦しく動悸する、
鼻水をたらし、
人に話しする途中で咳き込んでしまう。

寒に傷られるる則は、
脉緊にして汗なく、悪寒、煩躁して渇ぜす、寒にあって咳す。

冷寒に冒された「咳」は、
脉緊にして寒気がして胸苦しく動悸する、
咽も乾かない、汗も出ない、
ただ寒い風が吹き込んでくると咳が出る。

汗が出て咳はするのは「風」

 汗がでないで寒気がして胸騒ぎするのが「寒」

熱に傷られるる則は、脉数にして煩渇、引飲、咽膈、乾燥して咳唾、調粘す。

熱に傷られるは、脉数にして胸苦しく咽喉が渇く、
やたらと水を飲みたがる、
咽喉と胸が騒ぐ、咽喉や唾が粘っこくなる。

湿に傷られるる則は、脉細、咳する則は、四肢重著し、骨節、煩疼す。

湿に傷られるは、脉細、咳をすると、手足を重く感じ苦しくなる、骨や関節がうずき痛みが出る。。



(七情による分類)(内邪)

精神的問題からの咳の分類です。

古典本文訳。

又七情の気ありて、
五臓を傷り、六脉、肺経を剋して亦よく咳をいたす。
喜んで心を傷るものは、
咳して喉中、介々として腫状の如し、
巳えざる則は、
小腸これを受け、咳する状、気と倶に失す。

解説説明。

咳すると、喉の中が塞がった感じ、
それを出そうとすると腫れ物のような何か喉につかえたモノがあって出きらない、
それが心を破り肺に影響を及ぼしている。
そしてそれが治らないと、小腸経に症状が出る、
(表裏の関係より)
咳をすると、気と「オナラ」が一緒に出る。
これは、
心まで迄冒されたものです。

怒って肝を傷るもの、咳して両脇下痛む、巳えざる則は胆これを受け苦汁を嘔吐す。


思うて脾を傷るものは、咳して右脇下痛み、引いて肩背に至る。
巳えざる則(治らない時)は、
胃はこれを受け痰沫(咳と共に淡い痰)を嘔吐す。

憂いて肺を傷るものは、
咳して喘息し聲あり、甚だしき則は唾血す。
巳えざれば、大腸これを受け、咳する則は遺屎(下痢)す。

咳して喘息になる、甚だしき則は唾血す。
治らない時は、
大腸これを受け、咳する時は大便がでる、


恐れて腎を傷るものは、
咳して腰背、相引きて痛む、
巳えざる則は、膀胱これを受け、咳して遺溺(小便)す。


咳して巳えざれば、三焦これを受け、咳する則は腹満ち食を欲ぜず。

すべての咳がやまないと三焦これを受け、咳すると腹が張って食べ物が入らない。


【 治療の方法 】

治療の法宜しくその脉証を詳審すべし、

その人の身体、気、常の身体、脉と体症を考えて、
「心の咳」か「肺の咳」か「肝・腎・脾の咳」かを分別しておく必要がある。


若し外、邪気に感ぜば、ただ正に発散すべし、

風寒暑湿の外邪に感じて(犯されて)咳嗽を発する時は、
咳嗽を治療するのでなく、
その外邪を中心に治療する。

又、須く病者の虚実を診て薬を用ゆべし、

病人の状態、虚実、病の軽重、新旧、をみて薬を与える。

※ 
ここでは薬の事を言っているが、
経絡鍼灸家もそうで、
咳だけを相手(対象)にするのではなく、
咳によって起こる身体を診て治療してゆく。
病人を考えずに治療をすると病気を重くすることもある。

若し内、七情によって得る者は又、
まさに、その部経と気口と相応ずるに従うべし、

内因性の咳は
比較脉診の脉証と変動経絡(五臓六腑)の証が一致しているかどうかを考える事。

例、咳をして両脇下痛んで、肝の虚証であれば脉証一致している。
そうでなければ、
病が先に行っているか、脉が先に進んでいるかなので、それを考えなくてはいけない。


※ 咳嗽でも七情(内因性)と外邪では違うのでその違いを考えなけねばならない。


【 脈状と病因 】

脉浮緊なるを虚寒となし、

脉が浮て緊脉、
これは虚寒である、
というのは脉浮は虚で、
緊は寒の脉であるから。

沈数を実熱となし、

沈数の脉は実熱である、
ちなみに、
外邪性の陽邪は「浮数」である。

咳嗽の熱の場合、
「実熱で沈数」の脉になることが多い。

外邪からの咳嗽は
「浮実」になるが、
内傷からの咳嗽は「内熱」「沈数」が多い。

弦ショクの脉は少血となす。

弦にしてショクの脉は相反する脉になります。
弦は肝の脉、
ショク脉は肺の脉、
すなわち肝の血が虚し、肺に影響を及ぼす。
又は肺が実し、
肝が虚し肝が虚し血が少なくなっていると言えます。

洪滑は則ち痰多し、
咳嗽の脉、浮大の者は治し易く、
沈微の者は癒え難し、

洪滑とは、
洪脉は浮大の脉、滑脉は往来流利、非常にコロコロと流れが早い脉です。

これは痰の病症で熱痰に存在します。
咳嗽で浮大の脉は外邪性で治す易い、
沈微の脉は内傷性で治しにくい、
老人の咳、喘息は治しにくい。

大概、気を順ずるをもって先と為し、痰を下す事、これにつぐ、

治療の順番は
「気を順ずる」脉証を整える(気を整える)経絡鍼灸の本治法を先ず一番に行い。
「痰を下す」標治法を次に行う事。

標治法の具体例:咳の治療、
喉・胸部:天突穴には上から下へ刺す。華蓋の圧痛点へのお灸、
背部は風門、肺兪、身柱の灸、膈兪の外、二行線の肉の薄い皮膚への灸。


※ 
鍼灸はとかく現象を取る即効性を求めたがる、咳が止まったからいいのではなく、

それが、自然に止まる方法をとるのです。

すべての病気がすぐに治るとは考えられない。

(気を整える)経絡鍼灸の本治法こそが、病気を根本から治す手技になる訳です。

そして、

咳を取る標治法の効果も格段上げ、効果の持続も期待できるのです。


又停飲して咳する者あり、須くこれを消化すべし、

酒やお茶、コーヒー、炭酸飲料、水の飲みすぎで食物が停滞し咳嗽を起こす。

これは咳嗽よりも「停飲」を先に治します。

切に軽々しく罌粟穀等の薬を用いて、これを止めるべからず、

軽々しく薬を用いないこと。

又寒邪あり、未だ除かざる者、又便(すなわち)補薬を用ゆべからず、

寒邪ある時は補薬を用いてはいけない。

邪を取って後に補薬を用いること。


 治療の基本法則は
 気を順し、痰を下し、内外の邪を去って、
 両根を除き咳嗽が自ら治るようにすべきです。

(経絡鍼灸は自然治癒力を惹起する最高の方法なのです。)


 薬には補薬と瀉薬が補瀉の役目をしています。
  経絡鍼灸では「実」の外邪は、
内因、内虚をとられえて内虚を補って、
外邪を除くことが出来ます。
また、身体が虚してなく、
熱のある患者に補法だけ用いても汗を出す、
身体が充実していれば、自分の力で汗を出すことも出来るのです。

最も憂慮過度、房室、労傷をい忌む、しからざる則は、多くは慢性病と成る、

これを謹むべし、これを謹むべし。


最も大事なことは、咳が出ている時、

憂い過ぎ、思い過ぎをやめる。
精神的苦労をしない。
房事過多を忌ましめる。
働きすぎ、遊びすぎを忌ましめる、事です。

この病気を治さないでいると、多くは慢性病と成る、


いわゆる風は万病の元のゆえんかな。

咳が出た時一番に成すべきことは患者自身が、

身を謹み、養生こそが病気治す道である。


最後まで読んでもらい、
ありがとうございます。


古典本文訳も掲載しておきます。


ノンボクケイケンイホウタイセイ

南北経驗醫方大成 による 病症論 

井上恵理 講義録 付・臨床質問

十二章 p95より。

  咳嗽(がいそう) 咳のことです。
  

肺は五臓の華蓋となして、聲音の従い出ずる所なり、皮毛これによって潤沢し、腎水これによって生養す、?理(毛穴)蜜ならず、外、風寒暑湿の気の為に干かさされば皆よく人をして
咳嗽せしむ。

風に傷られる則は、脉浮にして寒を憎み、身熱、自汗、煩躁して鼻に清涕を引き、語らんと浴すれば、未だ意ならざるに咳す。
寒に傷られるる則は、脉緊にして汗なく、悪寒、煩躁して渇ぜす、寒にあって咳す。
熱に傷られるる則は、脉数にして煩渇、引飲、咽膈、乾燥して咳唾、調粘す。
湿に傷られるる則は、脉細、咳する則は、四肢重著し、骨節、煩疼す。

又七情の気ありて、五臓を傷り、六脉、肺経を剋して亦よく咳をいたす。
喜んで心を傷るものは、咳して喉中、介々として腫状の如し、や巳えざる則は、小腸これを受け、咳する状、気と倶に失す。
怒って肝を傷るもの、咳して両脇下痛む、巳えざる則は胆これを受け苦汁を嘔吐す。
思うて脾を傷るものは、咳して右脇下痛み、引いて肩背に至る。巳えざる則は、胃はこれを受け痰沫を嘔吐す。
憂いて肺を傷るものは、咳して喘息し聲あり、甚だしき則は唾血す。巳えざれば、大腸これを受け、咳する則は遺屎(下痢)す。
恐れて腎を傷るものは、咳して腰背、相引きて痛む、巳えざる則は、膀胱これを受け、咳して遺溺す。
咳して巳えざれば、三焦これを受け、咳する則は腹満ち食を欲ぜず。

治療の法、
宜しくその脉証を詳審すべし、
若し外、邪気に感ぜば、ただ正に発散すべし、
又、須く病者の虚実を診て薬を用ゆべし、
若し内、七情によって得る者は又、まさに、その部経と気口と相応ずるに従うべし、
脉浮緊なるを虚寒となし、沈数を実熱となし、弦?を少血となす。
洪滑は則ち痰多し、咳嗽の脉、浮大の者は治し易く、沈微の者は癒え難し、
大概、気を順ずるをもって先と為し、痰を下す事、これにつぐ、
又停飲して咳する者あり、須くこれを消化すべし、切に軽々しく罌粟穀等の薬を用いて、これを止めるべからず、
又寒邪あり、未だ除かざる者、又便(すなわち)補薬を用ゆべからず、
最も憂慮過度、房室、労傷をい忌む、しからざる則は、多くは?疾の症と成る、
これを謹むべし、これを謹むべし。


病人様の参考になれば幸いです。

経絡漢方師:やまちゃん・・・



ゆっくり堂 鍼灸院 * * * 
 電話 : 0985-50-5174
 住所 : 宮崎市天満2-4-26

土曜日、日曜日も
営業します。


定休日 : 火曜日です。  

Posted by やまちゃん at 12:04 | Comments(0) | 風邪を治すツボ。