☆ 「虚性の邪」とは ☆
2009年07月18日

瀉法の手技その11。
☆ 「虚性の邪」とは ☆
虚体あるいは、
それに近い体力の持ち主が、
慢性的な病気や半健康状態にある時に、
内因による邪により、
旺気実の脉状を現すものです。
「虚性の邪」の脉状の一般例。
六部定位の比較脉診において、
右の寸口関上の脉位を中脉より静かに浮かせ、
陽脉をうかがったと時よりも、
その尺中を同様に観察すると、
尺中は寸口関上に比べて、
やや指に当たり、しかも高めに感じます。
これは、
三焦に「虚性の邪」が存在していると診ます。
ただし、
外邪による実脈とは違い、
観察者の指に「弱く触れる異状物の脉状」です。
「虚性の邪」は4つの脉状に分類され、それぞれを治す手技があります。
「虚性の邪」の分類は塵(ジン)・枯(こ)・堅(ケン)・弾(ダン)の4つです。
虚性の邪の基本の邪実の処理を「補中の瀉法」と呼称します。
「虚性の邪」を現す一般的な体質について。
一般的な特徴、新陳代謝機能の低下した状態です。
臓器の働き。
胃の状態として、胃酸不足があります。食後に、みぞおちがつかえ不快感がでます。
食事の内容は、甘い食物、辛い食物を欲しがります。また、無意識に、ご飯をたくさん食べ過ぎています。そして、苦い薬は絶対に飲めません。
大便の状態として、下痢をすると、お腹が痛くなります。
また、便秘をしても、のぼせがなく、コロコロの便(兎便)になります。
これらの現象は、大腸の働きが弱くなり大便を送り出すぜんどう運動機能が低下しているからです。
小便の状態として、稀薄な小便がたくさん出ます。
したがって小便に何回も行き総量が多くなります。
これは腎臓の働きが弱くなり水分の再吸収機能が衰えるからです。
その他の状態として、
生理不順・貧血性の生理痛・不妊症。 貧血で顔色が悪く、働くと調子が悪くフラフラして元気がなく、眠気のくる状態。手足から冷たくなり過労で心臓に痛みが出ます。
ゆっくり堂鍼灸院。
けいらく鍼灸師、やまちゃん。
平成21年7月18日(土曜日)